天理大学 生涯教育

天理大学 人間学部 生涯教育専攻 ウェブログです。

ぽっかりと時間があいてしまったら

さて、4月に入ってさあがんばるぞーと思っていたらこういうことになってしまいました。やれやれですね。新入生のみなさん、はじめまして。教員の石飛和彦といいます。2回生以上のみなさん、お元気ですか。元気なら何より、こちらはぼちぼちといったところ。

学生さんの姿の見えないキャンパスは不思議な感じです。ふと、昔のことを思い出します(大学教授にはなにかにつけふと昔のことを思い出して学生さんに語ろうとするおじさんたちがたくさんいるので注意しましょう。私もこれからそれをやろうというわけです)。そういえば私が大学生だったころ、4月になってもなかなか授業なんかはじまりませんでした。もちろんそのときはキャンパスに学生さんたちはあふれてはいたはずなのですが、授業が本格稼働するのはそれこそ連休明けぐらいからだったような。あれはいったい、なにをしていたんでしょうね。大学の4年間は人生の夏休み、とか言われていたころの、まぁ昔話です。

私は生涯教育の先生ですが、専門は「教育社会学」、つまり、社会学という視点から教育について考えるというのをやっています。そこで、たとえばいろいろな大学生の実態調査のデータでは、今の大学生が昔の大学生に比べて、忙しくなっているし、真面目になっている、ということが明らかになっています。学生さんたちは、授業だけでなく部活やバイトや人間関係や資格取得や就活や、なんやかんやで忙しい。限られた4年間でできるだけたくさんのものを身につけたい、となるわけですし、大学の側だって私たち教員だって、あれもできるこれもできる(本当ですよ、みなさんが経験できるメニューは大学に山ほどあるのです、お楽しみに)、せっかくこれだけあるんだから4年間にぎっしりいろんなことを詰め込みたい、学んでってもらいたい、とまぁ、ついついサービス精神が出てきてしまうというものです(覚悟してくださいよ、あれこれ勧めますよ、メガ盛りかもしれないですよ)。
でも、今、こうして学生さんの姿の見えないキャンパスで、教員同士であれこれ相談していると、ふと、昔はこんなかんじでしたよねえ…というはなしになったりします。

昔の大学生が何をやっていたのか、というと、私は、好きな本を読んでいたなあ…と、ここでいよいよ語り始めそうになったのであぶないあぶない、今日のところはセーブしますが、たぶん何でもいいのです、ぽっかりと時間があいてしまったら、シンプルになにか自分で見つけておもしろくすごす。StayHome、ひとりで過ごすならなおさら、他人からやらされるのではない自分でイイと思った何かをしてすごすことができたら、いいのではないかと思います。

上↑で書いた、「今の大学生が忙しくなっている」という研究についての文章、ネット上で検索してもたくさんでてきます。

岩田弘三(2016)「まじめ化する大学生と学生の「生徒化」・大学の「学校化」」『アルカディア学報』No.591、日本私立大学協会
www.shidaikyo.or.jp

武蔵野大学の岩田先生のエッセイです。「ここではこの現象の善悪を、問題としたいのではない。」と書いておられるんですが、なんていうか、すみません。メガ盛りサービスとか言っていてはいかんですね…

お話が長くなってしまいました。そろそろ曲のほうにいきましょう。
はっぴいえんどの名曲を矢野顕子のカバーで。「風をあつめて」。
風邪ひくんじゃないぞ! 風通しをよくしていこう!
私たちはシンプルなやりかたでいろいろなことができる。

矢野顕子 風をあつめて